英検®は将来どれくらい役立つの?

英検®とは

英検®とは、公益財団法人 日本英語検定協会が実施する英語技能検定で、正式名称は「実用英語技能検定」です。

冒頭でお伝えしたように、近年の進学制度は筆記試験を主体とした試験から、実用的な英語力を身につけた生徒を優遇する形に変わってきています。

具体的には、英検®3級で高校入試の優遇、準2級で大学入試の優遇、2級より上は大学の単位認定が得られ場合があります。準1級と1級を取得していれば公務員試験での加算もあり、実社会での評価につながるという大きな魅力があります。

さらに英検®は、海外留学時の英語力証明としても活用できます。北米を含む約400の大学やカレッジが語学力の証明として英検®を認定しており、留学時のパスポートとして英検®は強い味方です。

各級の内容と難易度

英検®の各級と難易度

(出典:日本英語検定協会

英検®には5級、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級の計7つの級があり、1級が最も難易度が高いです。5級と4級は一次試験のみ、3級~1級は二次試験で対面の面接があります。

ただし5級と4級には、2016年度から約3分間のスピーキングテストが導入されました。これは3級以上の二次試験(面接)とは異なり、コンピューター端末を活用した録音形式。一次試験の会場ではなく自宅などで任意で受けれるもので、一次試験の合否には関係ありません。

5級

英検®5級は中学初級レベル、必要単語数は約600単語とされています。筆記試験が25分、リスニングが20分です。

例として、筆記試験では家庭や校地などを題材とした空欄補充、リスニングでは質問に対する適切な応答の選択問題などがあります。

【リーディング例題】
A : What is your favorite (   )?
B : I like red.

1. milk  2. fruit  3. color  4. pet

出典:Grade 5 実用英語技能検定|公益財団法人 日本英語検定協会

4級

英検® 4級は中学中級レベル、必要単語数は約1,400単語とされています。筆記試験が35分、リスニングが30分です。

題材は5級と同様に、家庭や学校、地域や電話などに関するものですが、問題文の長さや内容の難易度が上がります。

【リーディング例題】
A : How long did you play tennis today?
B : (   ) two hours.

1. For  2. Since  3. With  4. Through

出典:Grade 4 実用英語技能検定|公益財団法人 日本英語検定協会

3級

英検®3級は中学卒業レベル、必要単語数は約2,100単語とされています。一次試験は筆記試験50分、リスニング25分に加え、3級からはライティングと二次試験の面接が加わります。

二次試験は約5分間の個人面接。音読、パッセージやイラストについての質問、日常生活の身近な質問に答える形式です。

【リーディング例題】
A : Where are you going, Mom?
B : To the market to get some fresh vegetables. They were all grown by local (   ).

1. doctors  2. pilots  3. farmers  4. musicians

出典:Grade 3 実用英語技能検定|公益財団法人 日本英語検定協会

準2級

英検®準2級は高校中級レベル、必要単語数は約3,600単語とされています。一次試験はリーティング、リスニング、ライティングの筆記試験が75分、リスニングが25分で、二次試験は約6分間の個人面接です。

二次試験では音読、パッセージに関する質問が3題、自分自身の意見を述べる質問が2題出題されます。

【リーディング例題】
Lisa read a (   ) on the side of the road. It said to watch out for falling rocks.

1. warning  2. channel  3. shade  4. variety  

出典:Grade Pre-2 実用英語技能検定|公益財団法人 日本英語検定協会

小学生は英検®何級を目指せばよい?

日本英語検定協会によると、2022年度実施分の英検®受験状況データでは、小学生以下の受験志願者数は524,833名に上りました。そのなかで小学生の受験者が多いのは5級と4級です。

語学の勉強は、日々の積み重ねです。いきなり難易度の高い級を受けるのではなく、まずは5級にチャレンジしましょう。5級でも約600単語を覚える必要があり、リスニングの練習も必要になります。目標を持って努力することは、合否に関わらずお子さんが成長する素晴らしい機会になります。

ただし2020年の小学校での英語必修化に伴い、幼少期から英語に力を入れるご家庭が増えているのも事実。小学生の受験者が年間50万人以上いることを考えると、5級と4級を取得している小学生は多いということです。そんな中で中学校でも英語を得意教科とし、高校受験でも英語を強みにしたいなら、小学校卒業までに3級の取得を目指すのも良いでしょう。

英検®の勉強方法

英検®の勉強法

それでは英検®を受験するにあたっておすすめの勉強法を、段階的にご紹介します。

勉強方法1:単語を覚える

まずは単語の勉強。書店にある英検®の各級に出てくる単語集やCD付属の参考書を用いて、語彙力を身につけましょう。

今はネットにもたくさんの情報がありますが、いつでも持ち運んで空き時間に開けるよう、実際のテキストがおすすめです。色んなテキストに手を出さず、まずは1冊を完璧にして自信を付けましょう。

勉強方法2:リスニングの練習

知らない単語がひとつでもあると、リスニングで問題が聞き取れず、正しい回答が選ぶのが難しくなります。そのため、まずは単語を覚えることが重要なのです。

単語に自信がついたら、CD付属の参考書や英検®に特化したスマホアプリを活用してリスニング練習です。特に5W1Hの疑問詞 (What, Why, When, Who, Where, How) の使い方をしっかり覚えると、正しい回答が導きやすくなります。

勉強方法3:過去問を解く

単語やリスニングの勉強をしたら、ひたすら過去問を解いて試験に慣れましょう。各級の問題形式は、毎回ほぼ同じです。形式に慣れておくだけで、気持ちが楽になって実力を発揮しやすくなります。英検®公式ホームページでは過去1年(3回分)の過去問が掲載されています。もちろん書店で過去問題集を入手するのもよいでしょう。

勉強方法4:スピーキングの練習

一次試験はある程度ご家庭で対策ができても、スピーキングテストや面接の対策は簡単ではありません。特に3級以上の面接では、たった数分間で面接官に実力を見せる必要があります。

そのためには保護者の方が面接官役となるか、もしくは英検対策に精通している教師のもと、模擬試験のような形で繰り返し練習するのが効果的です。

ベルリッツの英検®二次試験に特化した短期集中コースでは、放課後や土日などお子さんのスケジュールに合わせてプログラムを組みます。面接の受け答えはもちろん、採点の対象ともなる入室時の挨拶、姿勢、目線、聞き取れなかった場合の対処法まで丁寧に対策します。

一次試験合格発表後から二次試験までは時間が限られているので、短期集中での対策がおすすめです。

英検®の申込みからの流れ

英検®の申込み手順

英検®には学校や企業など団体で申込みを行う団体受験と、個人受験があります。団体受験の場合、検定料や申込み方法は各団体にご確認ください。ここでは個人受験について解説します。

英検®は通常、年に3回(6月、10月、1月)行われます。学校の年度と同じく、例えば2023年度は第1回が6月、第2回が10月、第3回が翌年2024年の1月という具合に呼ばれます。

検定料金

個人受験での英検®検定料は以下の通りです (2022年度時点) 。

検定料 (税込)
5級3,900円
4級4,500円
3級6,400円
準2級7,900円
2級8,400円
準1級9,800円
1級11,800円

申込み方法

個人受験での申込み方法は以下の3種類があります。

  • インターネット申込み

    1. 英検®公式のお申込みページに行く
    2. 受験したい級や会場を選択
    3. 指示に従って必要事項を入力する
  • コンビニ申込み
    ローソン、ミニストップ、セブン-イレブン、ファミリーマートにて、申込み期間中に各コンビニの情報端末機から申込み可能です。

  • 特約書店申込み
    特約書店とは、「英検®パンフレット (願書付) 」の無料配布と検定料受領を取り扱っている書店のことです。全国に約3,500店舗以上あります。

    1. 特約書店にて願書を入手
    2. 特約書店にて検定料の支払い
    3. 必要書類の郵送
    4. 受験票のお届け

英検®を受ける心構え

前述したように、小学生の英検®受験者は増加傾向にあります。ただ英検®5級であっても簡単に合格とはいかないかもしれません。英検®にチャレンジする子供たちのために、保護者が気をつけるべきことはあるのでしょうか?

無理をさせない

英検®に合格するとメリットが多いことは、すでにご説明した通りです。でも本人にやる気がないのに無理して勉強させても、英語嫌いになってしまいます。

まずは本人に受験の意思があるか確認して、やる気があればチャレンジさせてあげましょう。合格することで自信がつき、さらに英語を頑張りたいというモチベーションに繋がります。

英検®はあくまで英語力を数値化する指標のひとつ。大切なのは子供が英語が好きで英語が話せるようになりたいと思うことだというのを、忘れないようにしましょう。

ゲーム感覚で取り組む

初めての英検®受験では、楽しく英語を勉強するために、英検®のスマホアプリを活用するのもよいでしょう。最近では、クイズ形式で楽しみながら単語を覚える単語アプリも充実しています。正しい発音を覚えられるので、リスニング対策にもなります。

試験当日は付き添いまで

英検®では、マークシート形式の解答用紙や面接カードに名前や個人番号などの必要項目を記入します。

小さなお子さんなど本人の記入が難しい場合、必要事項を記入したコピーを持参するか、保護者が試験場で代筆することも可能です。そのあたりの当日の流れも、しっかりお子さんと話し合って練習しておきましょう。

まとめ

小学生の英検®受験者数は2022年度、50万人を超えました。5級と4級を取得する小学生は多いため、高校受験や大学受験を見据えて英語を強みにしたいなら、小学校卒業までに3級を目標に掲げるのも良いかもしれません。

ベルリッツでは英検®二次試験の短期集中対策を行っており、本番同様の練習を繰り返して自信を付けることができます。無料の受講相談も行っているので、お気軽にお問い合せください。

英語学習の最終的なゴールは、世界で通用するコミュニケーションスキルを身につけることだと思います。そのためのきっかけとして英検®を目標に頑張れば、英語力が伸びるのはもちろん、お子さんの大きな成長の糧になるはずです。

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