2. 音の変化をマスターする
では代表的な英単語の音の変化を学んでいきましょう。練習メニューの音声をそっくりそのまま真似て、意識しないでも同じ発音ができるようになるまで何度も反復しましょう。
2-1.”t”の変化
まずは先ほどの比較例にあった、語尾が”t”の音の場合の変化をマスターしましょう。以下のように2つの変化パターンがあります。
get back, sit down, site seeing
get in, sit around, bite in
* パターンBの発音の変化は、イギリス英語では発生しません
練習メニュー
それではこの変化をマスターするための練習をしてみましょう。以下の音声を聞いて、まったく同じ発音ができるまで何度も反復してください。視覚的な補助として、「本当の」発音をローマ字で表しました。
パターンA
1. lai’ speed (light speed)
2. wei’ treining (weight training)
3. hi’ product (hit product)
4. ku’bak (cut back)
5. je’ lag (jet lag)
パターンA 応用
パターンAに関しては、語尾が”t”の音の場合だけではなく、語尾が”d”やg”の場合でも音が省略されることがあります。
1. spen taim (spend time)
2. pei’ vakeishon (paid vacation)
3. gu’ teemwork (good teamwork)
4. bi’ misteik (big mistake)
5. do’ tag (dog tag)
パターンB
1. gedawei (get away)
2. tei kidaut (take it out)
3. nodevri budee (not everybody)
4. gerlz nai dou’ (girl’s night out)
5. whademai dooing (what am I doing)
パターンB 応用
パターンBに関しては、語尾だけではなく、単語内でも”t”から”d”の音に変化します。
1. stardin tudei (starting today)
2. figyur skeider (figure skater)
3. skodish myuzik (Scottish music)
4. welkum pardee (welcome party)
5. steidus (status)
この発音が完璧に真似できるようになれば、一歩「本当の」発音に近づきます。
2-2. アクセントのつけどころ
次に、比較例にもあった”a”、“the”、“and”、“to”などの接続詞や冠詞の「本当の」発音を練習していきましょう。ここではアクセント(強弱)のつけ方が重要なポイントになります。
英単語は二種類に大きくわけることができます。これにより、アクセントのつけどころのヒントを得ることができます。
a dollar
“dollar”はふたつの音で構成されています。赤い方が長くて高く、はっきり聞き取れる音です。黒い方が短くて低い、はっきり聞き取れない音です。
■ do
■ llar
英単語は1つの音からのみ構成されるものもあれば、複数の音から構成されるものもあります。しかしどの単語も、必ず1つだけ、アクセント(長くて高い)がつく音があるのです。
まとめると、
■ 接続詞や冠詞などの文法の一部になる単語には基本的にアクセントはつかない
■ 名詞、動詞、形容詞などの意味を持つ単語はアクセントがつく音が必ず1つある
ということになります。このことを知り、意識せずにアクセントを適切につけることができれば、また一歩「本当の」発音に近づけます。
練習メニュー
それでは練習してみましょう。意味のある単語に適切にアクセントをつけ、そして意味を持たない単語にアクセントをつけない練習です。
視覚的な補助として、「本当の」発音のローマ字表記と、モールス信号で「長くて高い音」と「短くて低い音」を区別しました。
1. a new coffee shop
(発音:anyu kawfee shop)
・- -・ -
2. call to make a reservation
(発音:kal t-mayka rezervayshon)
- ・ - ・ ・・ -・
3. but the teacher said no
(発音:bu’ th-teecher se’ no)
・ ・ -・ - -
4. out of town for the summer
(発音:audov taun for th-su mer)
-・ - ・・ -・
5. mix and match
(発音:mixen mach)
-・ -
例外
どの言語にもルールがあり、また例外もあります。
ここでは接続詞や冠詞などの意味を持たない単語にはアクセントをつけないとしましたが、次の場合には例外として、アクセントがつきます:
■ 2、または3つの単語から成る句動詞
例:
stand by, put in, get over with, add on
■ 強調したニュアンスを出すために冠詞や接続詞を強調
例:
He is the best baseball player.
これでなぜ英語を聞く時に、聞きとりにくい音や単語と、聞きとりやすい音や単語があるのかがわかりましたね。同じように発音ができるように何度も反復練習をしましょう。
2-3. 単語のセット
最後に、複数の単語をまとめて、単語ごとではなく単語のセットごとに発音する練習をしましょう。この練習から結果的に、よくある単語の組み合わせが自然に身につくほか、発話スピードが劇的に上がります。
英文を読む時に、隣り合っている単語を組み合わせていき、段階的により大きな単語のまとまりを作っていきましょう。
Step 1
You (pause) can (pause) call (pause) me (pause) after (pause) ten (pause) next (pause) Monday.
Step 2
You can (pause) call me (pause) after ten (pause) next Monday.
Step 3
You can call me (pause) after ten next Monday.
真似をしてみて発話スピードが上がったのがわかりましたか?それでは以下の練習メニューで2段階にわけて、単語のセット単位で話す練習をしていきましょう。
練習メニュー
1. Do you know how to use this device?
Step 1: Do you know how to use this device?
Step 2: Do you know how to use this device?
2. That’s a beautiful dress you’re wearing.
Step 1: That’s a beautiful dress you’re wearing.
Step 2: That’s a beautiful dress you’re wearing.
3. I have to go home early today.
Step 1: I have to go home early today.
Step 2: I have to go home early today.
4. There has been a problem with operations.
Step 1: There has been a problem with operations.
Step 2: There has been a problem with operations.
5. I would like to change my room to a non-smoking one.
Step 1: I would like to change my room to a non-smoking one.
Step 2: I would like to change my room to a non-smoking one.
最終的にStep3くらいの大きなセット単位で話せるようになると、スピードだけでなく語彙の適切なつかい方や、文法の正確さも身につきます。