1.母音をカットし、サイレントブレスを追加する


日本人が英語を学ぶ際、つまずきがちなのが母音の発音です。
母音は「a, e, i, o u」の音を、子音は「t, s, f, h, k」など母音以外の音を指します。
日本語では「あ、い、う、え、お」が母音に当たり、母音が強い言語です。

一方英語は、母音はあくまで自然に発音する言語です。
日本語と同じように母音を強く発音してしまうと、英語ではないいわゆる「カタカナ英語」になってしまうのです。

「母音を意識しないこと」が、英語の自然な母音の発音方法をつかむ第一歩。
まず、下記単語を声に出して読んでみてください。

  • “what”   → 日本語的発音=whatto, ホワット
  • “bed”   → 日本語的発音=beddo, ベッド
  • “talent”   → 日本語的発音=talento, タレント
  • “concept”   → 日本語的発音=conceputo, コンセプト

何も意識せずに発音すると、末尾に母音「o」が付随していませんか?
この「o」の発音を意識しない=カットすることで、「カタカナ英語」から脱却することができるのです。

また、「サイレントボイス」を使いこなすことも、発音上達のカギ。
サイレントボイスとは、例えば「What」の最後につく「t」を小さな「ス」のような小さくかすれたブレス音で発音することです。
母音を意識しない代わりに、サイレントブレスを入れて音読してみましょう。

2.英単語ではなく、フレーズでの発音を意識すること


2つ目のポイントは、英単語ではなくフレーズを意識して発音することです。

日本人は単語一つひとつの発音を良くしようとしますが、単語がフレーズとして複数組み合わさったときの発音も練習しなければ、ネイティブな会話ができません。

たとえば、”did””you”のそれぞれの単語は聞き取れても、”did you”とくっつくと聞き取れないことがあります。
それは、子音で終わる単語は、次に来る単語が母音であれば音がくっつくというルールがあるからです。

“you”は「y」から始まりますが、音としては「u」、つまり母音なので”did”の「d」くっついて”diju”と聞こえるのです。

この「子音で終わる単語+母音で始まる単語」の組み合わせは無数に存在しますが、リスニングしながら「くっついた発音があるな」と感じたら、「これは子音と母音がくっついた連語なのだ」と思って練習していけば良いのです。

それではいくつか、子音+母音を意識しながら、フレーズや文章ごとの発音を練習してみましょう。

Where are you from? だったら Wherayu from?(ワーユーロム?) というように読みましょう。

  • What do you do?   → Whadoyado?
  • What time is it?   → Whatimisit?
  • Where is it?   → Wherisit?
  • How do you do?   → How d’yado?
  • How is it going?   → Howisit going?
  • How much is it?   → How muchisit?
  • Can I get a (beer)?   → Canigeta (beer)?
  • How about 3pm?   → How’bout 3pm?
  • What did you do last night?   → Whadijyado last night?

いかがですか?
“世界に通じる発音”に一歩近づいたのではないでしょうか。

3.イントネーション(抑揚)を意識すること


イントネーションとは、会話における上がり下がりの調子。
日本語はあまり抑揚のない言語ですが、抑揚をつけて話すことで一気にネイティブっぽさが増します。

イントネーションは、単語そのものにも、フレーズや一文にも存在します。
例えば単語の頭を強調する”desert(砂漠)”と、「s」を強調する”dessert(デザート)”のように、イントネーションの位置によって意味が変わる単語もあります。

日本の中・高英語では、単語ごとのイントネーションは教えますが、一文全体のイントネーションを教えることは少ないかと思います。
実は、この文章の中のイントネーションこそが、英会話を学ぶ上で大切なのです。

たとえば、疑問文。正しい文法としては、以下のように助動詞や疑問符を使って疑問文を作ります。

What is your name?

それでは、次の文章はどうでしょうか。

Your name?

聞きたいことの“name ”を強調し、語尾を若干あげて疑問調に話すことで、疑問詞がなくとも“name ”について尋ねる「疑問文」として成立するのです。
日本人は文法を気にしすぎて、「語尾が上がっているだけの疑問文は通じないんじゃないか……」と思いがち。
ですが、全く心配することはありません。
イントネーション(抑揚)を上手に操れば、多少文法が甘くとも英語は通じます。

また、イントネーションは「自分が最も伝えたいこと」を伝えることためにも重要です。

I want to eat chocolate.

“I”を強く読めば「私」が食べたいのだという意思、
“want”を強く読めば、「食べたい」という意思、
“chocolate”を強く読めば「チョコレート」が食べたいという意思を伝えられます。

同じ一文でもイントネーションによって、使い分けることができるのです。
イントネーションをつけて話すことで、ネイティブの人からの印象がガラッと変わりますよ。

まずは“表情豊かに話すこと”からはじめてみましょう!


日本人は海外の人と比べて表情が豊かとはいえません。それは発音も同じです。
日本語の発音は、イントネーションがなく平坦な音が続きますが、英語は違います。
海外のドラマや演説、ニュースを思い起こしてください。外国人はいつも表情豊かに話していませんか?

伝えたいことは強く、さほどでもない部分は普通に。
これを意識するだけで、あなたの発音の表情はどんどん変わっていくはずです。

今回ご紹介した3つのポイントをおさえ、文章の流れを意識しつつ、表情豊かに発音してみましょう。
臆することなく声に出してリスニングと発音練習を続ければ、きっと自信が持てるようになるはずです。

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