トラブルは絶対に起きる!無理せず対応を
赴任前に情報収集を欠かさなかったとみえさんでも、実際に海外で生活しているとトラブルが起きてしまったことがあります。
メイドを1年で解約
タイで一番最初に雇ったメイドが、子どもに軽い虐待をしていたことが発覚。さらにとみえさんは当時、娘さんを妊娠していたため新しいメイドを探すことにしました。
「新しいメイドを探すのは難しくなかったですよ。日本人がたくさんいるマンションに住んでいたので、“新しいメイドを探している”というと、すぐにマンション中に知れ渡り、候補者を紹介してもらえたんです」。
既にタイ語が話せるようになっていたため、2人目のメイドとはしっかりコミュニケーションをとり、良好な関係を築くことに成功したそうです。帰国後もしばらくメールなどのやりとりをするほど仲良くなったのだとか。
婦人会内の人間関係がうまくいかない
最初は頑張って多くの人と仲良くしようとしていたとみえさん。しかし、海外生活が長くストレートな物言いをする奥さんたちとぶつかり合ってしまうことも。
「ストレスを溜めて人にあたってしまったり、お酒に逃げるようになる前に、誰かに助けを求めた方が自分も周りも心が楽ですよ」
とみえさんはカウンセリングに行くようになってからは、無理して多くの人と仲良くしようとせず、少人数でも深く・真摯に向き合うようになったといいます。交流を深めた人と遊びに出かけたり、情報交換をしたりすることでストレスを発散させていたのです。
インタビュー中、サバサバとした印象のとみえさんですら、カウンセリングに行かなければならないほどつらかった時期があったのか、と驚きました。
「赴任者家族は、旦那さんは異国の新しい職場になじむのにいっぱいいっぱい。奥さんは現地の生活や習慣に慣れて行くのにいっぱいいっぱい。カウンセリングなど、お金で解決できることがあれば、お金を使った方が家族のためだと思います」
卵と魚は食べられなかった
「食べ物は、最初こそ色々警戒していましたが臭みの強い魚類以外はすぐ慣れましたよ。でも一度卵からサルモネラ菌が出て息子がお腹を壊してしまったので、それ以降は避けるようになりました」
食の安全性を意識しなくても大丈夫だった日本と違い、国によっては食べ物には注意を払わなければいけません。
また子どもが病気になった際、迅速に的確な治療を受けるために現地の言葉を話せるようになっておくのは大切だといいます。
子どものしつけ方の違い
海外駐在中に娘さんを妊娠・出産したとみえさん。子どもの面倒を見てくれるメイドさんにしつけも任せていましたが、タイ風にのびのびと育てられていたため娘さんは「座って何かをする」ということが苦手でした。
また、タイの車文化にも落とし穴が。タイでの生活では家を出たら行き先まで車に乗るため、車がびゅんびゅん通る道を歩いたり渡ったりするということがなかったのです。そのため娘さんは「気をつけないと車に轢かれる」ということを知らず、帰国後、車道に飛び出してしまうことも。
「文化の違いでこんなに影響が出るとは思いませんでした。特に車道に出てしまうというのは事故にもつながりますし、そういった日本とタイとの生活や文化のズレは帰国後にお受験塾で矯正しました」。
駐在員の文化にも戸惑った
タイに赴任しているどのご家庭も旦那さんは週末に接待があり、休みの日でもあまり家にいなかったといいます。
「ほかに日本人もいるとはいえ、やはり家族が一番親しい人ですからね。子どもや家の面倒を見るのが自分だけになってしまい、夫が家にいないことにストレスを感じる奥さんも少なくなかったようです」
とみえさんも赴任直後は今後の生活に対する不安などもあり、旦那さんが家にいないことに戸惑いを感じていました。
しかし、「郷に入れば郷に従え」。こういった文化に旦那さんが合わせられるようにしてあげるのが妻の仕事と割り切れるようになってからは、気持ちも楽になったそうです。