日本人の多くは英語の読み書きは得意でも、スピーキングは苦手と言われています。
私たちは中学校で3年間、高校と大学を含めると計10年間は学校教育で英語を勉強してきていています。
それでも英語を話すのが苦手なのは、もしかしたら勉強法が効率的ではないのかもしれません。
ではどのようにしたら、最短ルートで英語をスラスラと話せるようになるのでしょうか?
本記事では、スピーキングを上達させるために、初級者から上級者までレベルに合った勉強法を解説します。
日本人の多くは英語の読み書きは得意でも、スピーキングは苦手と言われています。
私たちは中学校で3年間、高校と大学を含めると計10年間は学校教育で英語を勉強してきていています。
それでも英語を話すのが苦手なのは、もしかしたら勉強法が効率的ではないのかもしれません。
ではどのようにしたら、最短ルートで英語をスラスラと話せるようになるのでしょうか?
本記事では、スピーキングを上達させるために、初級者から上級者までレベルに合った勉強法を解説します。
まずは、なぜスピーキングが上達しないのかという原因を探っていきましょう。
英語のスピーキングが上達しない最も大きな理由として、圧倒的なスピーキングの練習不足が挙げられます。
日本では、2020年度より小学校からの英語必修化が開始されました。
これまでの日本の英語教育では、長らく黒板を使った大人数に向けてのレクチャー方式の授業が当たり前に行われていました。
しかしながら、多くの時間が文法や単語などのインプットに充てられており、スピーキングの練習量が絶対的に足りていませんでした。 これではいつまで経っても英語を話せるようにはなりません。
英語のスピーキング上達には、基本的な単語や文法の知識を蓄えることも重要ですが、同時に実際に声に出して話すという実践練習が非常に重要なのです。
英語のスピーキングが上達しない2つ目の原因に、英語と日本語の根本的な文法構造の違いが挙げられます。
ご存知のように、英語の文法はSVO(主語+動詞+目的語)であるのに対し、日本語の文法はSOV(主語+目的語+動詞)という語順になっています。
(例文)
I like traveling.
日本語では「好きです」という動詞が一番後ろに来るため、文章を最後まで聞かないと理解できませんが、英語では「like(好きだ)」という動詞を先に持ってきて、重要なことを先に述べる構造です。
語順以外の違いの他にも、日本語は「私は」「あなたは」といった主語を省略しても意味が通じることが多いですが、英語ではほとんどの場合、主語が誰かであるのを明瞭に示します。
このように、日本語話者にとって英語は文法構造が大きく異なる言語のため、英語の文法をしっかり理解することがスピーキング上達にも直結します。
日本人に総じて言えるのが、英語を話すときに間違いを恐れる人が圧倒的に多いということです。
いざ英語を話す場面で、完璧な文章を話そうとしていませんか?
間違えることに過敏になることは、英語のスピーキング上達の弊害となってしまいます。
日本の文化背景でもありますが、日本人は必要以上に失敗を恐れる傾向にあります。
しかし、万が一自分の話す英語が伝わらなくとも、間違いから学び、改善や工夫をしていけばよいのです。
このメンタルブロックを乗り越えることで、英語のスピーキングに必要な着実なスキルが身についていきます。
なぜ、英語が話せないかという原因をお分かりいただけたでしょうか? では、スピーキング力を向上させるために必要なポイントはどのようなものがあるのでしょうか?
前提として、文を組み立てることができないと英語は話せるようになりません。
そのため、作文に必要な文法や英単語、フレーズなどの基礎的な知識は欠かすことができません。
日本では義務教育である中学校でしっかりと文法を学んでいるため、すでに最低限の文法の知識は持ち合わせています。
短期間でスピーキング力を伸ばしたい場合は、苦手な文法も含めしっかりと習得することがスピーキング力を伸ばす秘訣と言えます。 同様に、英単語の語彙力も必要です。
英単語は数え切れないほど膨大な数がありますが、単語の知識は多ければ多いほど素早く文章を理解できるため、習得のスピードも早くなります。
英語のスピーキングが上達しない原因でもご説明したように、「間違えたら恥ずかしいから」「発音が悪いから」と間違いを恐れてしまっては、いつまで経ってもスピーキング力を伸ばすことはできません。
このような心理的ハードルを克服するには、独り言や音読、シャドーイングなど、一人でもできるスピーキング練習から始めましょう。
すき間時間に会話の練習を繰り返すことで、英語で話すことにどんどん慣れていきます。
独り言や音読、シャドーイングの具体的な勉強方法は本記事で後ほど詳しくご説明するので、ぜひ参考にしてください。
正しい発音の知識を身につけることも、スピーキング力を向上させるのに必要です。
発音をよくするために有効なのが、フォニックス (Phonics)です。
フォニックスとは発音と文字の関係性を学ぶ音声学で、a, b, cなどのアルファベットの音を正しく発音できるようになります。
正しい発音を習得することによって、実践のスピーキングでも瞬発的に正しい発音ができ、生きた英語として使えるようになります。
「英語が話せるようになりたい」という人の中には、それぞれの違ったモチベーションがあるでしょう。
ここからは、目的別にスピーキング勉強法のポイントを解説します。
スピーキング力を伸ばしたいという目的の一つに、「外国人と友達になりたい」「外国人と対等に話ができるようになりたい」という理由を持つ方も多いでしょう。
冒頭でも解説したように、英語を話せるようになるためには頭の中で英作文を作る必要があります。そのためにも文を組み立てる構造、つまり文法の知識が欠かせません。
外国人とのカジュアルな会話であっても、最低限、中学校で習う英文法を身につけましょう。
その上で、日常的に使う言い回しやフレーズをインプットするのが効率的です。
また、文化背景の違う外国人との会話には英語力の他にもコミュニケーション能力が同じくらい重要となります。
会話を切り開いていく積極性や質問力、自分の意見や考えをしっかりと伝える力なども身につけていくとスムーズなコミュニケーションが築けるでしょう。
ビジネスや留学などに向けた資格試験を目的としたスピーキング力向上には、よりレベルの高い語彙力や文法の知識が必要となります。
英文法はよくある穴埋めが解けるだけで満足するのではなく、何も見なくても文章を口でスラスラと言えるまでしっかりと叩きこみましょう。
声に出して例文を染み込ませられるまで何度も繰り返し練習することで、実際のスピーキングテストでも瞬発的に声に出して話せるようになります。
また、各試験には網羅すべき頻出単語があります。 テストの傾向から対策をすればスコアアップは望めますが、スピーキングの評価基準には流暢さや一貫性、語彙力、文法力、発音なども含まれています。
これらは一朝一夕には身につけることができません。
日頃からテンプレートを作って自分の意見をまとめる練習や、英会話のレッスンを受けるなどしてスピーキングの練習をしておくとよいでしょう。
英語の資格試験だけでなく、実際に「使える」英語力があれば、英語力を武器に世界でグローバル人材として活躍することができます。
資格試験で英語力を証明できたとしても、ビジネスでは英語での面接や会議への参加など、実際の英語力が試される場面が多く存在します。
世界で通用する英語力やコミュニケーション能力をつけるには、状況に応じた会話が成り立つように、よく使われるフレーズを何度も反復して練習を繰り返すことが重要です。
さらに、学んだフレーズが反射的に口から出るように、英会話レッスンでビジネスシーンを仮定した練習を積み重ねていきましょう。
ここからはレベル別に具体的なスピーキングの勉強方法を解説していきます。
初心者の方はいきなりスピーキングの練習に進むのではなく、土台作りがポイントです。
すでに解説したように、スピーキングでは頭の中で英作文を作ることができないと話せるようにはなりません。
中学校や高校で基礎的な英文法は学んでいますが、いまいち理解していない文法はありませんか?
一から文法を学び直す必要はありませんが、苦手な文法を今一度復習してみましょう。
英語を声に出して読む「音読」も効果的なスピーキングの勉強法です。
学生時代の英語の授業で音読の経験はあっても、実際に音読を重要視していなかった、という方もいるのではないでしょうか?
では、なぜ音読がスピーキング力の上達に必要なのでしょうか?
実は、音読は文章を読むリーディング力、声に出して読むスピーキング力、そして英語の文字と音声が一致するようになるため、リスニング力を向上させる有効な勉強法なのです。
さらに、音読を繰り返すことによって少しずつ英文が定着していき、実践の英会話ではスラスラと口から出てくるようになります。 日々音読を継続することで、どんどん表現の幅を広げていくことができます。
ある程度英語を話すことに慣れてきた中級者がさらに上級へとレベルアップするには、アウトプットだけでなく、インプット量を増やすことがポイントとなります。
語彙力やフレーズを増やしていくために、次の勉強法を取り入れてみてください。
英語の「パラフレーズ」をご存知でしょうか?
パラフレーズ (paraphrase) とは、言葉を違う言い方に置き換えることを意味します。 日常会話には、ある程度の会話のパターンがありますよね。
例えば、「分かりました」と言う場合に “i understand.” や see.” ばかり使っていませんか? “absolutely” “copy that.” “sure thing.” なども「分かりました(了解)」の表現の一つです。
このように、中級者がさらにレベルを上げていくにはワンパターンの返答から抜け出して、表現のバリエーションを増やしていく必要があります。
英語には、意味を理解していても使いこなせない語彙である “passive vocabulary” と、反対に、意味を理解していて使いこなせる語彙の “active があります。
表現力を向上させるには、このactive vocabularyを増やしていくことが重要です。
普段決まったフレーズばかりを使っている場合には、他に言い換える表現方法を見つけて、それを意識的に使うようにすることで、実践的に使える語彙を増やしていきましょう。
英会話を学んできて中級者のまま抜け出せないという方は多くいらっしゃいます。 スピーキングと言っても、会話は複数人で成り立つものです。 相手に自分が話す英語を正確に伝えるためにも、正しい発音を学ぶことは欠かせません。 発音を学ぶメリットとして、リスニング力を向上できることも挙げられます。 単語としては知っていたとしても、リスニングでその単語を聞き取れないということは往々にして起こります。 特に日常生活の口語表現では、試験のリスニングのように明瞭に話されることはなく、音や単語同士がつながったり、脱落したりする音もあります。 自分でも正しく発音できる単語やフレーズはリスニングでも自然と頭に入り、聞き取れるようになります。 今一度、発音記号を学び直したり、フォニックスで一つひとつのアルファベットの正しい発音を練習したりしてみましょう。 知識を蓄えた上で、英会話のレッスンで実践、練習を繰り返すうちに自然と発音が上達していくはずです。
プロの同時通訳者たちが英語力を上達させるために行っているとされる勉強法が、シャドーイングです。
シャドーイング (Shadowing) とは、英文を聞きながら、その後に続いて反復して音読する練習方法です。
発音やイントネーションにも注意を払い、声を出して発音する練習を繰り返し、体に染みこませていきましょう。
シャドーイングを行う際のポイントは、聞こえてきた英語を真似て繰り返すだけの「リピート」練習にならないようにすることです。
音声の意味をしっかりと頭で理解するようにし、あたかも自分が会話しているかのように話者の感情を共有しましょう。
これらに気を付けながら継続的に練習を繰り返すことで、自然な英語のリズムやアクセント、イントネーションが馴染んでいき、全体的な英語力の向上につながっていきます。
最後に、上級者向けのスピーキング勉強方法をご紹介します。 上級者の方のなかには満足して勉強をやめてしまう方も多いですが、ここで今一度目標設定をしてみましょう。 TOEIC®以外のIELTS™に挑戦したい、海外就職に挑戦したいなど、自分なりの目標を設定することでモチベーション維持にもつながります。
英語のスピーキング上級者がほとんどと言っても過言ではないほど活用しているのが、英英辞典です。
上級者の方はすでに会話をする際に日本語から英語、英語から日本語へと翻訳することなく、英語を英語で理解する、いわゆる「英語脳」ができている状態です。 そ
のため、新しい単語に出会ったときにはできるだけ英英辞典を活用することで、英単語そのものの意味や、具体的にその単語がどのような文脈や場面で使われるのかを英語で理解し、落とし込めるようになります。
ただし、英英辞典を使い始めても書いてある意味を理解できないとモチベーションが低下してしまうため、少しずつ英和辞典から英英辞典に切り替えていくのが望ましいでしょう。
英語のスピーキング上級者にとってさらに上達させるために有効な方法が、自分が英語を話している様子を動画に撮ってみることです。
少し勇気のいる方法ではありますが、発音の矯正にも有効ですし、身振り手振りなど、話している態度をチェックできるため、スピーキング力向上には非常に有効な方法です。
他にも、好きな映画のセリフなどを真似して音声や動画で録音してみるのもよい方法です。
発音に詰まってしまう部分や、イントネーションが不自然なところなどを客観視することでスピーキングの上達だけでなく、自信にもつながっていきます。
「英語を日常で話す機会がない……」「英語を話す機会はあっても、とっさに言葉が出てこない……」とお悩みの方は、ぜひ英語の独り言を試してみましょう。
英語の独り言は、文字通り、独り言を英語で言うというシンプルな勉強法です。
しかし、いつでもどこでも思い立ったときに練習することができる、言わば独学のスピーキング練習法です。
たとえ独り言であっても相手がいることを想定すれば、立派な会話の練習になります。
効率的に英語の独り言を行うには、まずはトピックを選定しましょう。
例えば下記のようなトピックがおすすめです。
このように、一口に独り言と言っても、工夫次第で無限にスピーキングの練習ができます。
一人の時間やシャワー中、就寝前などのすきま時間を利用して、ぜひ習慣にしていきましょう。
今回は英語のスピーキング力上達に特化した音読やシャドーイング、独り言など、さまざまな勉強法や学習のポイントをご紹介しましたが、いかがでしたか?
スピーキングといえど、文法や語彙力などの土台をしっかりと作り上げた上で、さらに発音の強化や実際に声に出したスピーキングでアウトプットしていくという積み重ねが必要です。
スピーキング力はスポーツと同じで、一朝一夕にいきなり話せるようにはなりません。
毎日少しずつでも英語に触れる時間を作るようにして、着実にスピーキング力をつけていきましょう。
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一部のプログラムは、無料オンライン体験または受講相談のみとなる場合がございます。