フランス語での自己紹介の仕方

基礎中の基礎、「私の名前は〜です」をフランス語で言うと「Je m’appelle〜」です。直訳すると「私は自分を〜と呼びます」となります。日本語で自分の名前を伝えるときの「〜と言います」という表現に似ていますね。

「私は〜です」という意味のフランス語の表現には「Je suis〜」もありますが、これは名前を伝えるときにはほとんど使われません。

アメリカの人気ドラマ「フレンズ」に、フィービー(リサ・クドロー)がジョーイ(マット・ルブランク)に「Je m’appelle Claude.」というフレーズを教えるシーンがあります。

なかなか覚えられないジョーイに、根気強く発音を繰り返すフィービー。そのレッスン風景を見てみましょう。(ちなみに私生活では2人ともフランス語が話せます!)

「私の名前は…」をフランス語で

まずは自分の名前の伝え方を学びましょう。

基本的な挨拶フレーズとその発音は、こちらの音声付きのブログでチェックできます。

日本語フランス語
こんにちは。私の名前は真理子です。Bonjour. Je m’appelle Mariko.
こんにちは、私は真理子です。Salut, moi c'est Mariko. 
私の(下の)名前は真理子で、苗字は鈴木です。Mon prénom est Mariko, et mon nom de famille est Suzuki.
私の名前は真理子ですが、マリーと呼ばれる方が好きです。Je m’appelle Mariko, mais je préfère qu’on m’appelle Marie.
私の名前は真理子ですが、ニックネームはマリーです。Je m’appelle Mariko, mais on me surnomme Marie.
私の名前は真理子ですが、私の友達は私をマリーと呼びます。Je m’appelle Mariko, mais mes amis m’appellent Marie.

外国人にとって、日本人の名前は下の名前と苗字が区別しにくかったり、発音が難しかったりすることがあります。

フランス語で下の名前は「prénom」、苗字は「nom de famille」と言うと覚えておきましょう。またフランス語の日常会話では、あらたまった場でない限り、prénomで呼び合うのが一般的です。

「お名前は?」をフランス語で

名前を尋ねる際は、二人称に「vous」「tu」のどちらを使うかに気をつけましょう。子どもや敬語を使うのが不自然に感じられる相手を除き、初対面の人には「vous」を使うのが無難です。

日本語 フランス語 ポイント
こんにちは。あなたのお名前は何ですか? Bonjour. Comment vous appelez-vous? 一般的な表現で、目上の人に対しても使える。「Vous」は丁寧な「あなた」。
やあ、名前は何て言うの? Salut, comment tu t’appelles? 友達や子ども、親しい間柄の人に対して使う。「Tu」はカジュアルな「君」。
こんにちは、私の名前は健二です。あなたのお名前は? Bonjour, je m’appelle Kenji, et vous? 一般的・丁寧な表現。
僕の名前は健二。君は? Salut, je m’appelle Kenji, et toi? カジュアルな表現。

こんにちは。私の名前は真理子です。

初対面で好印象を与えるフレーズ

「Enchanté(e)」、「C’est un plaisir de faire votre connaissance」、そして「Heureux/Heureuse de vous connaître」。どれも「会えて嬉しい」という意味の、よく使われる表現です。

名前を伝えるだけでなく、こうした一言を添えると感じが良いですよね。

日本語フランス語ポイント
はじめまして、私の名前は中村葵です。Enchanté, je m’appelle Aoi Nakamura.男性が言う場合は「Enchanté」、女性の場合は「Enchantée」と綴りが変わる。発音は同じ。
お会いできて嬉しいです。私は葵です。C’est un plaisir de faire votre connaissance, moi c’est Aoi.「Moi c’est」はカジュアルな表現で、誰かが先に名前を言い、続いて自分が名前を言う場合に使う。
お会いできて嬉しいです。私は葵です。Heureux de vous connaître, moi c’est Aoi.男性が言う場合は「Heureux」、女性が言う場合は「Heureuse」。
素敵なお名前ですね。私は葵です。C’est un beau prénom. Moi c’est Aoi.
こんにちは、はじめまして。あなたのことはよく伺っています。私は葵です。Salut, enchanté. J’ai beaucoup entendu parler de vous. Moi c’est Aoi.

第三者の名前

「私」でも「あなた」でもない、第三者の名前を尋ねたり伝えたりするときの表現です。

日本語フランス語
彼女の名前は何ですか?Comment s’appelle-t-elle?
彼女の名前はテイラーです。Elle s’appelle Taylor.
の名前は何ですか?Comment s’appelle-t-il?
の名前はテイラーです。Il s’appelle Taylor.

フォーマルな自己紹介の仕方

ビジネスシーンやかしこまった場面では、相手を「vous」という二人称で呼ぶのが原則です。同僚やよく一緒に働く上司は「tu」でも大丈夫ですが、確信が持てないときは「」と尋ねてみましょう。

また以下のようなフレーズも参考にしてください。

日本語フランス語ポイント
自己紹介させてください。Permettez-moi de me présenter.
こんにちは、鈴木真理子と申します。マーケティングディレクターをしております。Bonjour, je m'appelle Mariko Suzuki et je suis directrice marketing<<.男性の場合は「directeur marketing<<」。

挨拶のキスは?

初対面の人があなたの頬にキスをしてきたら、それも複数回だったら、驚きますよね。

フランス語で「la bise」と呼ばれる軽いキスは、お互いの頬を合わせてキスの音を出す、挨拶のジェスチャーです。人と会ったときや別れるときにされ、初めて会う人同士でも交わされます。地域差や個人差がありますが、唇が触れない、あるいは軽く触れることが多く、回数は2回から4回程度です。

パンデミック以降は、la biseをしなくなったという人も少なくありません。

慣れないうちは、どうしたらいいか分からないのが普通。してもいいものか、右から始めるのか、左からなのか、何回するのか…。そのような場合は相手を観察して、リードを任せましょう。

新しい人間関係の始まりをスムーズに

フランス語で自己紹介をするのは、最初は緊張するかもしれません。自信を持って自分の名前を言えるようになれば、それだけであなたの第一印象が変わります。

日本人は礼儀正しいという評判が高く、場に応じた挨拶をしたり、相手の名前を正しく発音したりすることで、さらに信頼度が高まりますよ。

そのためにも、レッスンなどで練習や実践を繰り返し、着実に基礎力を身につけていきましょう。